異常をいち早く検知するための研究

目に見える情報は、意味があるものと意味がないもの、害があるものとないもの等に分類してしまいがちです。こうした人の直感に頼る判別は、しばしば大きな問題の端緒を見逃す原因になります。

電子基板に流れる電流やネットワークに流れる情報流のように、一見意味のないストリームデータには大量の情報が含まれています。人の直感による判別では、どれも同じように見えてしまうストリームデータであっても、実は異常と正常、有意味と無意味が混在しています。

本研究では、成分分析技術、データ拡張技術、強化学習型分析技術、クラスタリング技術(スペクトラル・クラスタリング)を組み合わせて、波形分析ツール@blewm(アブルーム)を開発しています。この研究も、スモールデータ細粒度解析技術の研究開発です。

波形分析ツール@blewmは、電子機器の非接触解析に利用できます。例えば、電子機器を分解や加工することなく、機器の正常と異常を区別することができます(図3)。複数のパルスが重畳する(重なり合う)コンセントの電流に含まれるノイズのうち、注意して分析すべき箇所を特定することも可能です(図4)。

本研究の一部は、現在、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて研究開発しています。

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